2023.07.04
2023年4月29日、青葉台東急スクエアにて第3回「青葉よりみち名店2023・春 ~ひとにまちに優しい新しい出逢いづくり~」が開催されました。前回同様、青葉区の名店に加えて鳥取県の名産品が並び大盛況となったイベントの様子をレポートします。
売り切れも続出! リピーターを増やす地域密着型の人気イベントに成長
緑あふれる住宅街として地元の人々を中心に愛される青葉台。
その駅前にある商業施設「青葉台東急スクエア」で開催される「青葉よりみち名店」は、2022年4月の第1回で好評を博して以降、約半年に一度のペースで定期開催されている地域密着型のイベントです。
3回目となる今回も、青葉台を中心とした周辺地域に加え、鳥取県智頭(ちづ)町からバラエティ豊かな店舗が出店。食品やテイクアウトグルメ、アパレルや工芸品など自慢の品々を紹介しました。
最大9連休となるゴールデンウィークの初日にあたる開催当日。晴天にも恵まれ、350名程度が来場。
開催を楽しみにしていたリピーター客をはじめ、おでかけついでに“よりみち”する家族連れも多く、午前中に早くも売り切れてしまう商品も続出しました。
“町の顔”だからできること。地域のひととひとをつなぎ、地元との絆を深める
▲鴨志田町にあるスイーツとカフェのお店「ウチルカ」。通販でデイリーランキング1位に輝いたこともある大人気の「艶とろチーズケーキ」を、この日だけの特別価格で提供した
▲青葉区たちばな台にあるオーガニック日本茶ブランド「TEA START」。
静岡県菊川市で有機無農薬栽培された「日本茶」や、パウダー加工した「粉末緑茶」などを販売した
「青葉台東急スクエアにもっと愛着を持っていただきたい。地域の皆さまとの接点をより深く持てるイベントを、という思いから企画したのが『青葉よりみち名店』の始まりでした。地域のひととひとをつなぐ役割として、東急スクエアだからこそ貢献できることもあるのではないかという思いもありました」と話すのは、青葉台東急スクエアのイベント企画担当者。
以前より青葉区内で地域イベントを企画開催していたデザインプロダクション・明日の株式会社(横浜市青葉区)へ相談し、「青葉よりみち名店」の開催が実現したそうです。なお、明日の株式会社の代表取締役である村尾周三江さんは鳥取県生まれ。現在も地元と強いつながりを持っていることから、鳥取県智頭町の出店も実現したのだとか。
▲村尾さん(左から2番目)と鳥取県智頭町の皆さん
村尾さんに話を聞くと、「最初に東急スクエアからお声かけいただいたのがコロナ禍でした。地域のイベントやお祭りが全部中止になり、商店街もまちの人々も疲弊していた時期だったので、青葉台の顔であり、玄関口でもある東急スクエアがこうしたイベントを立ち上げてくださったのは、とてもうれしかったですね」と笑みをこぼします。
▲鳥取県智頭町の山岳地で生産された特別栽培米「ひとめぼれ」は、「気軽に味見していただきたい」という思いから1合単位の販売も実施
「初回から、青葉区の名品に加えて鳥取県の名産品もご紹介させていただいております。3回目ですっかり顔なじみになったお客さまも多く、『また来たよ』って声をかけてくださる。鳥取の商品は現地価格で提供しているのですが、『価格が安すぎるけど大丈夫なの?』とお叱りやご心配をいただくこともあって、さすが東急スクエアのお客さまだなと感じることが多くあります」(村尾さん)
求められるのはストーリー! 商品が生まれる過程や背景を付加価値に
▲鳥取県東部にある智頭町は、面積の93%が森林という人口約6,500人の小さな町。古くは参勤交代の宿場町として、明治以降は林業の町として栄える
多くのお客さまで賑わう中、話を聞かせてくれたのは智頭町観光協会の西尾さん。「青葉台のお客さまは、商品ができるまでの物語に関心を持たれる方が多いことに驚きました。商品についてだけでなく、その背景や町について尋ねてくださる。さまざまな場所で智頭の名産品を紹介していますが、こんなに丁寧に話を聞いてくださる地域はあまりない」と言います。
「それを踏まえて2回目からは、生産者さんや作家さんが一から手でつくっているものや、制作工程のすべてを説明できるものを意識して持ってきています。中には地元でも珍しく、貴重なものもあります。いずれの商品にも強い思いが込められているので、余すことなくお伝えしなくてはと毎回気合を入れています!」
▲青葉台にあるセレクトショップ「ROUND」。タイやベトナムのブランドを中心に、知る人ぞ知る縫製の優れた上質なアイテムを扱う
同様の言葉を口にしたのは、初回から「青葉よりみち名店」に出店する「ROUND」の雨宮聡也さん(写真右)。「東急スクエアのお客さまはしっかりと商品の話を聞いてくださり、品質に納得してくださるので、毎回出店するのがとても楽しみです」と言います。
「青葉台は駅集中型の街で、うちのお店は駅から少し離れているので、最初はどんなお客さまが集まるのかを知りたくて参加しました。失礼な言い方かもしれませんが、お客さまの質が本当にすばらしい。お買い上げくださることはもちろんうれしいのですが、それはあくまで副産物で、お客さまとのコミュニケーションを目的に出店しています。品質に対する意識が高く、知識もあるので、毎回勉強になります」(雨宮さん)
▲青葉台にある「シュタット シンケン」は本格ドイツ製法のハムとソーセージの専門店。ドイツ・フランクフルトで開催のIFFA食肉加工品品質コンテスト」で最高金賞を獲得する商品も並んだ
「シュタット シンケン」を営む中山弘治さん(写真中央)は、「GWは実店舗も繁忙期なのでこの時期の出店は大変なのですが、青葉台にフォーカスしたイベントということで、町を盛り上げる一端を担えればと思い参加させていただいています」と話します。
「青葉台で35年前から店をやっていますが、『青葉よりみち名店』をきっかけに知ってくださり、お店にも足を運んでくださるお客さまも多くいます。そういう交流が生まれることが町の活性化につながる第一歩だと感じています」
ひと、企業、街が一体となって町づくりに取り組む
▲青葉台商店街の理事でもある中山さん。「青葉台は個人商店もすごくがんばっています。だから、町の玄関口にある東急さんが同じ志を持って、こうやって盛り上げてくれるのはありがたい。これからも町を引っ張っていってほしいですね」と、今後への期待も込める
最後に、青葉台東急スクエアのイベント担当者へ今後についても聞きました。
「回数を重ねたことでリピーターの方が増え、新しいつながりがたくさん生まれたことは大きな成果だと感じています。鳥取県智頭町ともつながりができ、ひととひとだけでなく、町と町をつなぐイベントへと成長してきたことを感じています。
今後は、やはり“継続して定期的に開催していくこと“が非常に重要だと考えています。開催にあたり最も難しいのが出店者の調整なので、私たちからも地域のお店へ積極的にお声がけをして、『こんなすてきなお店が青葉台にあったんだ』というような発見や、認知度を高める役割も担っていきたいです。これからも私たちも一体となって、一緒に町づくりをしていきたいと考えています」
- URL:
- https://www.aobadai-square.com/
- 場所:
- 青葉台東急スクエア
- writer:
- 君島有紀
- photographer:
- 君島有紀