2025.07.15
等々力駅、尾山台駅のどちらからも徒歩7分の場所にある「工芸スタジオチルコロ 等々力店」。陶芸作家の松島沙蘭さんが2021年にオープンした、陶芸と金継ぎの教室です。
「すべてのお客さまが気持ち良く過ごせる場所にしたい」と考え、自ら内装を仕上げたというスタジオは、白をベースにした、開放的で明るい空間。
やさしい光が差し込むスタジオには、たくさんの作品が並びます
陶芸の1日体験教室は、3歳から参加OK。「電動ろくろ」か「手びねり」のどちらかを選び、1時間半の時間内であれば、何を何個作ってもOK。「1回の体験で、平均して2~3個お作りいただけます。」
人気の電動ろくろ。スタッフがしっかりサポートしてくれます
板から型を取って作る手びねりは、子どもに人気
子どもの体験も大歓迎。作品が仕上がるのに1カ月半ほどかかるので、夏休みの自由研究にしたい人は確認を
底の仕上げと釉薬(ゆうやく)※ がけはスタッフが行い、作品の完成までの期間は1カ月~1カ月半。「2回体験コース」では、釉薬がけも体験できます。
※素焼きの陶磁器の表面に光沢を出し、液体の染み込みを防ぐガラス質の層
1日体験では、白、黒、青磁の釉薬を選べます
2回体験コースは選べる釉薬が10色ほどに。「2色掛け」もできます
スタジオを訪れる人は、平日は女性が圧倒的に多く、週末は地元のファミリーや遠くから来る若いカップルなど、さまざまなのだそう。
松島さんに陶芸の魅力を聞いてみました。
「作品を作る喜びはもちろんですが、やわらかな土に触れるとリラックスできるところや、作品作りに集中することで頭がリフレッシュできるところでしょうか。」
また、最後は窯に委ねるしかない、作品の仕上がりを自分ではコントロールできないところは、許容する心が培われるような気がするのだとか。
「スタジオで素敵な時間を過ごしていただきたい」と松島さん
陶芸は幼いころから身近な存在だったという松島さん。「家に窯があり、父が趣味で作品を作るのを見ていました。」
自身も、旅先での陶芸体験や、仕事のリフレッシュで教室に通うなど、趣味として楽しんでいた陶芸。
本格的に始めるきっかけとなったのは、30歳になるころに2カ月間ほどイタリアに滞在する機会があり、フィレンツェから南に列車で1時間ほどの場所で参加した陶芸合宿。朝から晩まで陶芸漬けで過ごした2週間で、陶芸への気持ちが目覚めたのだそう。
帰国後すぐに、京都にある陶芸を学べる通信制の大学に入学。
「東京と京都を行ったり来たりで大変でしたが、一通りの陶芸の技術を、かなり丁寧に教えてもらいました。」
在学中に、制作の場と教室を兼ねた、現在のスタジオをオープン。
この間に出産も経験し、現在2人を育児中の松島さん。
お子さんが通っていた保育園の卒園記念制作で園児に陶芸を教えたことがきっかけとなり、陶芸を通じて子どもの教育にも関わっていきたいと思うようになったそう。
「物作りへの興味を引き出すお手伝いができたらうれしいです。」
割れた作品を直す手段として、金継ぎ教室も開講。1日体験教室も行っています。
また、金継ぎキットをオリジナルで制作。海外での販売も予定しています。
ホームページからも購入できる、オリジナルの金継ぎキット
スタジオからすぐ近くの二子玉川で育った松島さんから見た等々力は、どんなまちなのでしょうか。
「緑も渓谷も川もあって、自然がいっぱい。古くから住んでいる方やファミリー世帯が多く、穏やかで落ち着いた雰囲気です。」
スタジオをオープンしたのはコロナ禍の最中。「広告も打たない中、地元の方が教室に来てくださって、本当に助けていただきました。」
その後、生徒もスタッフも増え、2023年には駒沢にもスタジオをオープンしました。
教室名の「チルコロ」はイタリア語で「円・循環」。
ろくろの動き、人とのつながり、そしてイタリアの陶芸合宿の時の気持ちを思い出させてくれる言葉なのだそう。
「陶芸を通じて、人や地域とのつながりを大切にしながら、日本の工芸の魅力を世界へ広げるスタジオを目指していきたい。」と語ってくれました。
次の休日は、心地よいスタジオで、陶芸に挑戦してみませんか?
【営業時間】
10:00~17:30 ※土・日曜は夜間営業あり(ホームページより要予約)
定休日:不定休
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ホームページでご確認ください。
- 店名:
- 工芸スタジオチルコロ
- URL:
- https://www.ceramic-circolo.com/
- 場所:
- 東京都世田谷区等々力4-18-12-101